小松左京賞(こまつさきょうしょう)は、角川春樹事務所が主催していた公募新人文学賞である。SF小説を対象とし、受賞者には正賞として名入り金時計、副賞として100万円が与えられた。選考委員は小松左京が務めていた。
70年代半ばに角川書店でSF小説のブームを起こした実績を持つ角川春樹が、21世紀の新たなSFの登竜門を作ろうと小松を口説き、「自分の名前がついた賞が存命中に設立されるのは嫌だ」と反対する小松を、「横溝正史賞を作ってからも横溝さんは8年生きた」と嘘(横溝正史は賞が設立された年に逝去)をついて、半ば小松を騙す形で設立した。小松は賞休止後も存命し、2011年に死去している[1]。
2009年5月、同年の第10回をもって休止となることが発表された[2]。
受賞作一覧
- 角川春樹事務所から刊行された最終候補作
- 角川春樹事務所以外から刊行された最終候補作
受賞作と最終候補作一覧
- 第1回(2000年)
- 受賞作 - 平谷美樹 「エリ・エリ」
- 最終候補作
- 北野勇作「かめくん」
- 浦浜圭一郎「DOMESDAY(ドームズデイ)」
- 高橋桐矢「ストレンジ・ランド」
- 第2回(2001年)
- 受賞作 - 町井登志夫 「今池電波聖ゴミマリア」
- 最終候補作
- 鶴原顕央「ULO 未確認着地物体」
- 和泉駿教「宇宙に棲むひと」
- 高橋桐矢「タペストリー」
- 第3回(2002年)
- 第4回(2003年)
- 受賞作 - 上田早夕里 「火星ダーク・バラード」
- 最終候補作
- 石井貴久「妄想帝国」
- 藤牧祐生「ウイルス」
- 響堂新「眠る大地」
- 第5回(2004年)
- 受賞作 - 有村とおる 「暗黒の城(ダーク・キャッスル)」
- 最終候補作
- 津良蒼司「青の時を越えて、」
- 照下土竜「ミラの階梯」
- 第6回(2005年)
- 受賞作 - 伊藤致雄 「神の血脈」(「ルーツ」を改題)
- 第7回(2006年)
- 受賞作なし
- 最終候補作
- 伊藤計劃「虐殺器官」
- 円城塔「セルフリファレンス・エンジン」
- 巴耳可里「キャスティング トラップ」
- 第8回(2007年)
- 受賞作 - 上杉那郎 「セカンドムーン」(「月が見ている」を改題)
- 第9回(2008年)
- 受賞作 - 森深紅 「ラヴィン・ザ・キューブ」(林葉勇武「エスバレー・ポワンソン・プティタ」を改題)
- 最終候補作
- 水無瀬十七夜「あるいは脳の中に棲む僕の彼女」
- 高橋桐矢「ドール」
- 第10回(2009年)
- 受賞作なし
- 最終候補作
- 一田和樹「キリストゲーム」
- 尾野樹史「クルミとミルクの物語」
- 松本晶「彼女の致死量」
脚注
関連項目
- SFの新人賞
外部リンク