天中殺天中殺(てんちゅうさつ)とは、四柱推命と算命学内の論であり、干支において天が味方しない時とされている。算命学では天中殺といい、四柱推命では空亡(くうぼう)ということが多い[1]。 概要六十干支は6種類の天中殺(旬)にそれぞれ分類される。十干と十二支を甲子・甲戌・甲申・甲午・甲辰・甲寅から10個ずつ組み合わせていくと、十干と組み合わない十二支が2つ残る。この2つがそれぞれの天中殺の十二支となる。甲子から癸酉までの10個の干支(甲子旬)では、戌・亥の2つの十二支は組み合う干を持たなく、戌・亥は甲子旬における空亡となり「戌亥天中殺」となる。同様に、甲戌日から癸未日生まれの人(甲戌旬)にとっては申・酉が組み合う干を持たないため、申・酉が空亡となり「申酉天中殺」となる。 元々は干支を使った占い(四柱推命など)における用語で「空亡」と言っていた。「亡空」(ぼうくう)と言われることはほとんどないが「空亡」「亡空」の間に両方の言い方があった。これを占いに用いる説の出処・由来は明確ではないが、中国清代に沈考贍が記した四柱推命の書物『子平真詮』は空亡を否定していることから、それ以前より存在していたと推測される。その後、日本では高尾義政が高尾流算命学を創始した際、空亡を「天中殺」と言い換えた。高尾義政の弟子 神煕玲は更に文字を変え「天冲殺」とした。 算命学における天中殺・四柱推命のおける空亡、共に地支・その時間帯の出し方は同じであるが、応用が異なる。算命学においては「限定されない気で、無限の気であり、物事は意に反して動く気」とされており、四柱推命においては「あってなきが如し」とされている。 1979年、易者 和泉宗章がテレビ番組『11PM』において天中殺に基づき、長嶋茂雄率いる読売ジャイアンツは日本一になれないと予言した。それがきっかけとなり、和泉の著書『天中殺入門』など2冊が合計で300万部以上のベストセラーになり、日本において天中殺ブームが到来する。しかし1980年に占いを外したことから和泉は易学の世界から身を引き、話題となった。
天中殺の概説生日から見て生年月日時に天中殺のない人生月はその人の基本的性質・兄弟同年代との関係・各天干の強弱を象徴し、古来月支原命といい、何月生まれかは用神を決める上の基本である。 生時はその晩年の姿・子女を象徴する。 天中殺は本人の原局にない地支であり、多くは本人の有する地支を破壊する結果になる。機能している用神を冲衝するため、突然の環境の変化を誘引する。六星占術における大殺界である。天中殺がない人は四柱の各機能が全開するため性格が明朗で理解しやすい。しかし天中殺時に運勢が変化しやすく、時に極端な状況に陥る。偏った五行が命式の均衡を崩している場合は逆に天中殺が必要である場合もある。 生日から見て生年月日時に天中殺のある人
生年から見て生日に天中殺のある人生年干から見て生日支が天中殺に当たる場合、父祖目上から本人が異質と見做され理解されにくい。生日は本人と配偶者の場所でもあり、結婚に関して親から反対されたり問題が起きることがある。 天中殺の解消法天中殺に当たる地支が生年月日時にある時、以下の流年・大運で解消する。「当てになってならない」人が「当てになる」時が来る。この時は地支の空亡が解消され、更に地支の上にある天干の空亡も解消する。 天中殺の解消における注意生年月日時に天中殺に当たる地支があり、その地支を冲動する後天運が回る時、天中殺が解消される場合は四柱推命であり、算命学ではその天中殺の気を増幅すると考える。算命学では天中殺は積極的現象においてその天中殺の気が増幅されると考えるため、冲動が回る時に天中殺の気は積極的になる。そのため天中殺は解消されない。この事は四柱推命の理論による行動は危険ということになる。 脚注参考文献
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