変ニ長調 (へんニちょうちょう)は、西洋音楽 における調 のひとつで、変ニ (D♭ ) 音を主音 とする長調 である。調号 はフラット5箇所 (B, E, A, D, G) である。
音階と和音
変ニ長調の音階構成音
上行→下行
1
2
3
4
5
6
7
8
7
6
5
4
3
2
1
自然長音階
D♭
E♭
F
G♭
A♭
B♭
C
D♭
C
B♭
A♭
G♭
F
E♭
D♭
和声的長音階
D♭
E♭
F
G♭
A♭
B
C
D♭
C
B
A♭
G♭
F
E♭
D♭
旋律的長音階
D♭
E♭
F
G♭
A♭
B♭
C
D♭
C♭
B
A♭
G♭
F
E♭
D♭
赤マスは一般に臨時記号 により表される。
変ニ長調の和音構成音(ダイアトニック・コード)
コードネーム
D♭
E♭ m
Fm
G♭
A♭
B♭ m
Cm-5
D♭ M7
E♭ m7
Fm7
G♭ M 7
A♭ 7
B♭ m7
Cm7 -5
A♭ 9
第9音
B♭
第7音
C
D♭
E♭
F
G♭
A♭
B♭
G♭
第5音
A♭
B♭
C
D♭
E♭
F
G♭
A♭
B♭
C
D♭
E♭
F
G♭
E♭
第3音
F
G♭
A♭
B♭
C
D♭
E♭
F
G♭
A♭
B♭
C
D♭
E♭
C
根音
D♭
E♭
F
G♭
A♭
B♭
C
D♭
E♭
F
G♭
A♭
B♭
C
A♭
和音記号
I
II
III
IV
V
VI
VII
I7
II7
III7
IV7
V7
VI7
VII7
V9
和音は自然長音階で考えたもの。 その他のコードネームも実際の楽譜では異名同音 的に変えられることがある。
特徴
サブドミナントマイナーでは6度の音(通常B♭ )が半音下げられるのでB♭ ♭ (B Double Flat) であり、この調を選択すると譜面上で重変記号(Double Flat)がしばしば使用される。重変記号の使用を避けるためにA♮ が使われることもある。他に嬰ハ長調 を用いる手段もあるが、調号にシャープを7箇所使用する (F, C, G, D, A, E, B) のであまり使われない。この調の曲で始まるポップ・ミュージック は最後で半音上がってニ長調 で終わるケースもある。(Mr.Children 「しるし 」「HANABI 」、MISIA 「Everything 」、King Gnu 「白日 」など。)
同主短調として嬰ハ短調 が用いられる。また、嬰ハ短調 の同主長調に嬰ハ長調のかわりにこの調で書かれることも多く、曲初が嬰ハ短調 で途中でこの調となる例は多い(ショパン の幻想即興曲 など)。
ロマン派のピアノ曲に多く見られる。ピアノ では黒鍵の利用が多いため、(てこの原理などにより)柔らかい音が得られるとされている。調号が多く使われるために読譜が難しいが、弾き慣れると弾きやすい調である。
ギター の場合、レギュラーチューニングだと開放弦に音階が一切含まれておらず、ダイアトニックコードが全てバレーコードになる為、大変弾きづらい。故に変ニ長調をギターで演奏する際はチューニングを半音下げるか、カポタスト を使用して演奏する事が多い。
変ニ長調の曲の例
Category:変ニ長調 を参照。
関連項目
♯
♭
長調
短調
0
(12)=0
ハ (C)
イ (Am)
1
(11)
ト (G)
ホ (Em)
2
(10)
ニ (D)
ロ (Bm)
3
(9)
イ (A)
嬰ヘ (F♯ m)
4
(8)
ホ (E)
嬰ハ (C♯ m)
5
7
ロ (B)=変ハ (C♭ )
嬰ト (G♯ m)=変イ (A♭ m)
6
6
嬰ヘ (F♯ )=変ト (G♭ )
嬰ニ (D♯ m)=変ホ (E♭ m)
7
5
嬰ハ (C♯ )=変ニ (D♭ )
嬰イ (A♯ m)=変ロ (B♭ m)
(8)
4
変イ (A♭ )
ヘ (Fm)
(9)
3
変ホ (E♭ )
ハ (Cm)
(10)
2
変ロ (B♭ )
ト (Gm)
(11)
1
ヘ (F)
ニ (Dm)
(12)=0
0
ハ(C)
イ(Am)