土浦町(つちうらまち)は茨城県の南部、新治郡にあった町。現在の土浦市の主要部にあたる。
歴史
沿革
地勢
東西約2.4 km、南北約1.6 km。東に霞ケ浦を望み、南を桜川で隔てられる。低地が多く概ね平坦である。中心市街には商家が密集する。
名所
- 霞ケ浦
- 土浦城址
- 郁文館址 - 外西町。旧土浦藩校。明治6年、新治県師範学校。県合併後に茨城県立第二中学校。明治25年、土浦高等小学校。現在の土浦第一小学校の一角にある。
- 平国香の墓 - 字明神。現在の田中八幡神社。
- 等覚寺 - 田宿町。八田知家の子・法眼明玄が開基。土浦城西側の堀の内にあり、土塁を隔てて三ノ丸(滅失)に隣接する。銅鐘は国宝である。
- 神龍寺 - 西門町(現在の文京町)。曹洞宗。
- 棉津 - 川口町。水郷汽船の発着所。
- 櫻川 - 別名・筑波川。
- 銭亀橋 - 水戸街道の櫻川に架かる。慶長8年、旧江戸幕府直轄事業で竣工。
- 閘門橋 - 川口閘門。湖水の川口川・田町川への逆流を防ぐ。土浦の歴史は洪水との戦いの歴史でもある。
- 西子岡公園 - 横町。園内に月讀神社を祀る。
地域
字として17町(明治34年)。
- 内西町(うちにし)
- 外西町(そとにし)
- 西門町(にしもん)
- 本町(ほん)
- 前川町(まえがわ)
- 鷹匠町(たかじょう)
- 築地町(つきぢ)
- 川口町(かわぐち)
- 東崎町(とうざき)
- 田町(た)
- 横町(よこ)
- 田中町(たなか)
- 立田町(たつた)
- 中城町(なかじょう)
- 田宿町(たじく)
- 大町(おお)
- 中町(なか)
官公署
- 新治郡役所
内西町。明治11年、土浦城本丸跡に設置された。
- 町役場
前川町377番地の1。現況は筑波銀行本店。
- 土浦裁判所
判事5、検事2、書記10など計38名(明治43年)。
- 沿革 - 明治5年、新治裁判所。明治8年、茨城裁判所土浦出張所。明治9年、土浦区裁判所。明治23年、水戸地方裁判所土浦支部・土浦区裁判所。
- 管轄 - 土浦区裁は旧新治郡全域、筑波郡の一部および稲敷郡の一部。土浦支部は土浦区裁、竜ケ崎区裁および麻生区裁の管内全域。
- 土浦警察署
本町。署前には全町を見渡せる火の見櫓があった。現況は多摩川土浦ビル。昭和12年、立田町移転。
- 土浦監獄
- 土浦税務署
内西町。新治郡内の国税事務を一手に掌る。現況は関東信越税理士会土浦支部。
- 土浦郵便局
内西町。明治5年、土浦郵便取扱所として開設。昭和3年に本町、昭和12年に川口町(現況はアーバンスクエア土浦)に移転。
- 土浦電信局
内西町。明治21年設置。
- 土浦憲兵分隊
内西町。管轄は新治郡、西茨城郡、眞壁郡、稲敷郡、筑波郡、結城郡、猿島郡、北相馬郡、鹿島郡の一部、行方郡および東茨城郡の一部。
全て官選。職務代理者の期間あり。
教育
経済
農業に適する田畑は非常に少ない。水産は霞ケ浦の蝦・公魚・白魚など。繭の集散も盛んである。
金融
- 第五十国立銀行 - 川口町。明治11年開業。水戸や北條に支店があった。土浦五十銀行。
- 土浦農商銀行
- 土浦三津和銀行
- 茨城貯蓄銀行土浦支店
- 茨城農工銀行土浦支店
- 常磐銀行土浦支店
商業
- 鬼澤染め物店
- 國分商店
- 柴沼醤油
- 筑波鉄道本社
- 土浦米穀取引所 - 中城町。
- 土浦繭糸市場(つちうらけんし) - 本町。大正6年開設。一時は国内有数の取引高を誇り、県内外の製糸工場へ繭糸を送った。
- 豊島百貨店 - 本町。
- 小沼養魚場
- 尾形呉服店(中城)、櫻井家具店(中城)、大久保寫眞舘(小櫻)、上野小間物店(本町)、大國屋、仁水堂薬局(駅前通)、富山百貨店(敷島)、小野文呉服店(本町)、櫻井旗店(敷島)、川魚料理・服部(三好)、樽井靴店(仲町)、丸山時計店(外西)、ホワイト撞球場(駅前通)、色川洋服店(中城)
劇場
- 小野座 - 明治時代に開館、本町801番地
- 土浦劇場 - 明治館として1926年開館、匂町3135番地
- 霞浦劇場 - 1927年開館、東崎町744番地
交通
南北に国道が貫通、その他大小道が縦横に走る。鉄道は、上野-平間に在って土浦停車場あり。水運は稲敷・佐原・銚子に汽船便を擁する水陸の要衝である。
鉄道
航路
朝日丸汽船所が土浦-佐原・大船津を、銚子汽船会社が土浦-銚子を往復営業し、明治大正期における湖上交通の基幹をなした。土浦佐原間は、土浦(川口川の河口)、沖宿、木原、牛渡、有河、志戸崎、井ノ上、五丁田、橋門、麻生、牛堀、荒川、佐原の各発着所を結んだ。
乗合自動車
昭和7年の土浦発着バス路線と経営会社である。
道路
出身者
脚注
参考文献
関連項目