和田洋人
和田 洋人(わだ ひろと、1974年12月27日 - 2021年7月18日[2])は、日本の漫画家[2]。東京都立川市出身[3]。主な作品にデビュー作の『ファラ夫』などがある[2][4]。 来歴受賞『ファラ夫』の連載より10年以上前に、『月刊少年マガジン』(講談社)にて受賞し、担当編集者がつく[4]。漫画のアシスタントをしながら持ち込みや「子供向けの伝記もの」を執筆[4]。 『ファラ夫』は連載開始の7年前には構想されていた[4]。同作のネームを作り、当時の担当編集者に提出したところ、とある雑誌で連載が決定し、アシスタントを辞めるも、その雑誌の編集長の意向により連載がなくなる[4]。そのような経験は、過去に何度も繰り返していた[4]。別のネームを作成するが通らず、時間が経過していった[4]。そこで一度漫画から離れるために、漫画と無関係の仕事に就くことにする[4]。 働きながら漫画制作連載がなくなったことにより「お金が必要」と考えた和田は、おにぎり工場の従業員として勤務し、朝礼を行ったりパートや従業員に指示を出すといった仕事を行う[4]。しかし仕事をするうちに、「漫画を描きたくてこの業界に入ったのに、どうして俺はおにぎり仕分けの号令をしているんだ?」と考えるようになった和田は、『ファラ夫』の漫画を構成し直そうと考える[4]。朝の8時に出勤し、夜の9時半に帰宅して、漫画を制作し、2時間就寝後に出勤といった生活を1年半の間続けていた[4]。帰宅後は「練習後のスポーツ選手」のように「湯船に水を張ってそこに体を浸けるアイシング」が日課であった[4]。それにより、2か月で体重が20キログラム減少したという[4]。 『ファラ夫』の原稿が完成した時には、担当編集者は別の部署に異動していた[4]。そこで「和田の漫画に興味を持っている人物」として紹介された編集者の村松が、和田の担当となる[4]。「連載が続いても面白さを持続できる」と考えた村松は、当時所属していた『ヤングマガジン』の編集長に5話分のネームを見せたところ、本誌での連載が決定となる[4]。工場に勤務したままでは週刊連載はできないが、3か月で連載終了するかもしれないと村松から話を聞いた和田は、葛藤することなく退職を決意[4]。同作でデビューとなった和田は、「真剣に漫画家を目指してからかなり時間が経って」しまったが、「諦めずにやってきて良かった」と話していた[4]。 連載開始2017年に『週刊ヤングマガジン』(同社)35号から、古代エジプトの王のファラオの日本での生活を描いたギャグ漫画『ファラ夫』を連載開始[5][6]。2018年30号で打ち切りとなり、連載が終了[7][4]。連載終了の話をされた和田は「商業誌でやる以上、打ち切りは仕方のないこと」であると「現実として受け入れ」、「次に向かって行くしかない」と腹を括り、同作をきれいに終了させている[4]。 2020年に『コミックDAYS』(同社)にて、ディズニー公認による企画作品『殿さまとスティッチ』を連載[8][9]。戦国時代を舞台としており、作中にスティッチが登場する[9]。スティッチを「捨て一」と名づけた場面は、三都慎司や山田恵庸から反響があった[10]。 2021年に『イブニング』(同社)8号から、新たな解釈により徳川光圀を描いたギャグ漫画『ヤンキー水戸黄門』を連載開始し[11]、病院に通院しながら連載を行う[12]。連載中の2021年7月18日に脳出血などにより死去[13]。8月10日発売の17号で連載終了となり[14]、同号掲載の第10話で未完の作品となった[15]。亡くなる前に仕上げた第10話の原稿が、和田の最後の原稿である[14]。 作風高い画力で渾身のギャグを繰り出し、人気を博す[1]。 人物前向きな性格で根性があり[4]、「漫画に生涯を捧げた」ような人物である[14]。 作品リスト
関連人物脚注
外部リンク
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