北九州高速鉄道1000形電車
北九州高速鉄道1000形電車(きたきゅうしゅうこうそくてつどう1000がたでんしゃ)は、北九州高速鉄道が製造し同社小倉線で運用している跨座式モノレール車両(電車)である。 概要1985年(昭和60年)1月の開業当初から現在まで使用されている同社唯一の旅客用車両。全電動車方式・チョッパ制御式の4両編成の車両である(現在はVVVFインバータに換装)。開業当初よりワンマン運転に対応。 構造車体軽合金製。騒音を軽減することと油滴等の落下防止のため台車部まで含めスカートで覆い、内側に吸音材を使用している[1]。 正面は進行方向向かって右側にオフセットされた非常口を装備する。また、運転席窓上の行先表示は「小倉 - 企救丘」固定である。車両間の貫通路の幅は広い。 オリジナルの塗装は開業時の公募によるもので、クリーム色の地に青色の帯を配している[1]。先頭部の屋根上には発光信号灯と呼ばれる赤色灯が設置されている。 車内車内はロングシートで、走行装置関係をすべて床下に配置しているためタイヤハウスの出っ張りのないフラットな床になっている(そのため当時のモノレールとしては腰の高い外観となっている)[1]。 乗務員室は右側運転台構造で、マスコンは左手操作形を採用している[1]。 増備と塗装変更1998年(平成10年)4月の小倉駅 - 平和通駅間延伸に伴い、第10編成を新造。従来車と比べて前面がフラットになっている。また、近年クリーム色に青だった塗色を、順次青から他の色へ塗り替えている。また、1998年には小倉駅延伸を記念して期間限定で画家のジミー大西がデザインした塗装を施した編成もあった。 2010年(平成22年)3月27日からは開業25周年を記念し、少年期を北九州市内で過ごした松本零士の漫画『銀河鉄道999』の登場人物らを描いたラッピングを施した編成が3年間の予定で運行を開始した。 01編成は2016年4月20日を以て営業運転を終了、同年度内に除籍された[2]。除籍理由は黒字体質への転換に向けた経費節減のためとされている[3]。 2022年(令和4年)8月7日から、04編成が同市にある西南女学院大学の創立100周年を記念した塗装となった。外装は蘇芳色(すおういろ)をベースとし、両端にはステンドグラスを模したラッピングが施されている。来年8月初めごろまでの運行を予定している。 リニューアル工事本形式は製造から20年以上が経過した2007年度より、制御装置の更新工事が開始された[4][5]。 更新前は電機子チョッパ制御(2,500V - 400Aの逆導通サイリスタ使用・1C8M制御・1編成2台)から日立製作所製のIGBT素子(2,000 V - 600A)を使用したVVVFインバータ制御(3レベル方式・1C2M3群制御構成・1編成2台)に更新した[4]。主電動機(かご形三相誘導電動機)は100kW出力に向上させ[4]、4M(全電動車・全台車に電動機を装加)から先頭車の前位寄り台車を付随台車とした3M1T相当に変更した[5]。 VVVFインバータ装置は最新式のもので、32ビットマイコンによる全デジタル演算制御、ベクトル制御、全電気ブレーキ対応、定速運転機能付きのものである[4]。 今後の予定北九州高速鉄道では2026年から2037年にかけて現有する本形式9編成の置き換えを行うことを計画しており、資金面の問題から新型車両の設計にあたっては本形式の仕様を踏襲することを原則としつつ、CBTCによる自動運転(ただし高架上を走行するため保安要員1名の乗車が必須)や、蓄電池駆動など新技術の導入を検討しているが、新製投入では更新に時間を要することから本形式の改造を行う可能性も示唆している[3]。 諸元※1次車登場時のもの。
ギャラリー
脚注出典
参考文献
外部リンク
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