出水駅
出水駅(いずみえき)は、鹿児島県出水市上鯖淵にある、九州旅客鉄道(JR九州)・肥薩おれんじ鉄道の駅である。 利用可能な鉄道路線九州旅客鉄道(JR九州)の九州新幹線が乗り入れており、当駅には「さくら」、または「つばめ」が毎時1 - 2本程度停車する。「さくら」のうち、新大阪駅発着の列車が朝夕を中心に1日に8.5往復停車している。なお、当駅に停車する「さくら」は熊本駅 - 鹿児島中央駅間は各駅停車となる列車のみで、同区間を速達運転する列車は当駅には停車しない。 肥薩おれんじ鉄道線の駅は八代駅と川内駅のほぼ中間に位置しており、車両基地も併設されているため、肥薩おれんじ鉄道線の拠点駅の一つとして機能している。当駅を始発・終着とする列車も多く運行されており、JR九州鹿児島本線への直通快速「スーパーおれんじ」「オーシャンライナーさつま」も大半が当駅発着していた(現在は直通運転が廃止された後に、快速列車自体も廃止されている。現在は休日に運用されている定期運用列車はおれんじ食堂を除き全て各駅停車列車となっている。)。 歴史
駅構造JR九州
相対式ホーム2面2線を有する高架駅。通過線が無く、安全のために可動式安全柵が設けられている。 みどりの窓口設置の直営駅で、待合室にキヨスクが設置されていた(現在は廃止されており、そのスペースはそのまま改札外の待合室として使用されている)。 のりば
肥薩おれんじ鉄道
NPO法人北薩倶楽部が管理する簡易委託駅である。駅番号はOR16。自動券売機、出札窓口、待合室を有する駅舎に単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線を有する地上駅で、在来線部分の改札口は1番線ホームに直結している。新幹線部分の改札は跨線橋に直結しており跨線橋から肥薩おれんじ鉄道ホームに直接入ることが可能。自動券売機は駅舎側に1台の他、新幹線改札口と直結する跨線橋(自由通路)からの乗換の利便性を図るため2・3番乗り場にも1台設置されている。現駅舎は新しい建物だが、その隣に国鉄時代1951年に建てられた2階建て鉄筋コンクリート製旧駅舎が残っており、現在も使用されている。 簡易委託駅で駅係員は出札業務と駅管理のみを行い、運賃収受は運転士が行う。但し、おれんじ感謝デー等のイベント開催等で多客が見込まれる場合は駅係員が改札、集札も行うことがある。 移管当時駅舎は元国鉄・JRのものを仮駅舎としてそのまま使用していたが、元駅舎脇にあった荷物係、構内貨物入換係員の旧詰所を大幅に改装して駅舎に仕立て、2004年4月1日より営業を開始した。それ以降は元駅舎(旧駅長事務室・改札口)部分は改装されて営業部が使用している。現在も1番線ホームに旧改札口の遺構として仮駅舎時代に使用されていた階段やJR時代に使用されていた字幕式の行先時刻案内表示器、改札窓口跡が残っている。かつては駅弁業者の松栄軒本社と製造工場も駅舎に入居して駅弁を製造していたが、2013年10月1日より駅の北東側に新しく建てた新工場に機能を移転している。 肥薩おれんじ鉄道の主要駅の一つで車両基地等の所在駅であり、駅構内川内方の本線と新幹線高架橋の間の用地に乗務員(運転士)詰所・留置線・検修庫・洗浄留置線・給油設備等が設置されている他、駅舎側にはおれんじ食堂のアテンダントなどが所属する営業部も設置されている。そのため、当駅で運転士やアテンダントの交代を行うほか、ダイヤ上の都合や車両に不具合が発生した際、朝ラッシュやイベント開催時、団体乗車等多客乗車が発生した場合等には当駅で車両交換や列車の増解結作業を行う場合がある。また、これらの作業やダイヤ調整、新幹線接続等のため、一部列車以外は当駅で5分から10分程度停車する列車が多く、列車によっては最大27分程停車することもある。
忠、毎年3月中旬に隣の高尾野駅付近で開催される「高尾野 中の市」や毎年8月に開催される「高尾野夏祭り」開催時は朝8時頃から夜まで、毎年10月に八代駅付近で開催される「やつしろ全国花火競技大会」開催時は午後2時頃から深夜まで、それぞれ駅が大変混雑するため、臨時に駅係員が配置される。 のりば
各工場専用線(廃止)かつての国鉄時代は駅北側に構内専用線用のターミナルや貨車引上線があり、そこから沿道の踏切を渡って駅北東側にあった出水製紙出水工場(1981年倒産。跡地は日立金属ネオマテリアル鹿児島工場(旧・株式会社NEOMAXマテリアル鹿児島→日立金属ナノテック)と大豊工業九州工場が建っている)、日本アルコール産業九州工場、共同石油・伊藤忠燃料(現・出水ガス)、鶏協飼料(現・マルイ飼料)の各工場への広大な専用線が敷かれていた。 しかし、出水製紙株式会社が1981年5月末に経営破綻した事で同年6月2日に出水工場が閉鎖され専用線が廃止されたのを手始めに、その他に残った専用線も1984年2月1日国鉄ダイヤ改正の貨物取扱廃止に伴い全廃され、その際に側線や踏切等の施設も殆どが撤去された。構内専用線の跡地は一部が肥薩おれんじ鉄道車両の留置線として使用されている他引上線跡も残り、他の跡地も道路や田畑、農道、駐車場、住宅地等に転用されている。 駅弁
利用状況各年度の各社乗車人員は以下の通り[7]。 2014年度の駅取扱収入は16億6600万円で、JR九州の駅としては第20位である[8][9]。 JR九州の出水駅では、新幹線用定期乗車券「新幹線エクセルパス」の利用者が九州新幹線の全区間の中でも非常に多く、当駅 - 鹿児島中央駅間の利用者数は2014年9月末時点で492人に達している[10]。 これは九州新幹線の定期乗車券の区間別利用者数では2014年9月末時点で博多駅 - 熊本駅間、川内駅 - 鹿児島中央駅間に次ぐ第3位の利用者数である。
駅周辺JR出水駅側の東口駅前には主だった店舗が存在しない。西口側はかつての国鉄、JR線時代の改札口だったため現在も旅館や食堂の建物があるが、駅前ホテル等を除いてほとんどが廃業状態となっている。また、西口側は路線バス乗り場がある他、西側の徒歩数分の所に大通りがあり大型ロードサイド店舗が散見される。東側の国道沿いにはかつては駅前デパートの出水壽屋が存在したが、市街地近郊に次々に開店した大型スーパー等に圧されて2000年に閉店し、現在はローソン出水ことぶき店と有料老人ホームことぶきに改装されている。また、デパート跡近くに昔ながらの商店街(出水本町商店街)があるが、こちらも空店舗も多く、寂れて閑散としている。
バス路線路線バスは全て肥薩おれんじ鉄道駅舎側の西口から発着している。
隣の駅※肥薩おれんじ鉄道の臨時快速「おれんじ食堂」の隣の停車駅は列車記事を参照のこと。 脚注
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