内山 あや(うちやま あや、2004年5月22日 - )は、日本将棋連盟所属の女流棋士。女流棋士番号は71。イギリス・ベルファスト市出身。北島忠雄門下[1]。中央大学高等学校卒業[2]、中央大学理工学部数学科在学中[2][3][4]。
棋歴
女流棋士になるまで
父がパソコンの画面で見ていた第2回電王戦をのぞき見したのをきっかけに将棋を始める[1]。
2017年7月、中学生将棋名人戦で3位入賞[5]。同年9月、第49期女流アマ名人戦で準優勝[6]。
2017年10月、関東研修会にC2入会[7]。
2018年6月、研修会でC1に昇格。その後8連勝でB2に昇格し、中2で女流棋士資格を得た。しかし、既に大学進学を目指すと決めていて勉強に励むことも考えていたため、対局をこなしていけるか分からず資格申請をしなかった[7]。同年、全国中学生選抜将棋選手権大会女子の部で準優勝[8]。
2019年5月、受験勉強に力を注ぐため研修会を休会。しかし、受験終了後に女流棋士を目指すことも視野に入れ、一度資格申請をしなかった場合どうなるかを幹事に相談し、復帰後に48局指せば再び女流棋士資格を得れると説明を受けた[7]。研修会休会中もアマチュア大会にはいくつか出場し[7]、同年10月、女流アマ名人戦で4位入賞[9]。
2020年、第14回白瀧あゆみ杯争奪 新人登竜門戦の準決勝で加藤圭、決勝で和田あきを破り、棋戦初のアマチュア優勝を果たす[10]。同年、研修会で復帰してから48局に到達し再び女流棋士資格を得た[1]。
2020年12月1日付で女流棋士資格申請書が受理され、日本将棋連盟東京本部所属の女流2級(新女流棋士)となった[1][11]。同日に山口稀良莉も女流2級になり、同時に2人の女流棋士誕生となった[12]。
女流棋士になってから
2023年度の第50期女流名人戦で、予選を勝ち抜き挑戦者決定リーグに進出し女流初段に昇段[13]。その女流名人リーグでは順位上位の伊藤沙恵、里見香奈(現姓:福間)を破るなどして7勝2敗の好成績を挙げ、同成績の里見との挑戦者決定プレーオフとなった。プレーオフでは里見に完敗し、自身初の女流タイトル挑戦を逃す結果となった。プレーオフでは感想戦でも里見の思考スピードの速さを感じたと言う。大山名人杯第31期倉敷藤花戦の西山朋佳との対局でも同様に感じ、里見・西山との力の差はまだ大きくタイトル挑戦はまだ先のことだと取材で話した[14]。
翌期の第51期女流名人戦(2024年度)でも、挑戦には及ばないものの2期連続での成績2位となり、上位での連続リーグ残留を決めた。
棋風
人物
- 趣味はゲーム実況動画やお笑いを見ること[1]。好きな芸人はダイタク。
- 大学では数学科を専攻[15]。
- アマチュア時代は、女流アマ名人戦3連覇を果たした野原未蘭と対戦することも多く、女流アマ名人戦では野原が優勝した3期(49-51期)全てで野原に敗れ敗退した[16][17][18]。中学2年のときも全国中学生選抜将棋選手権大会女子の部決勝で敗れている[8]。しかし、2019年の第13期マイナビ女子オープンチャレンジマッチと、優勝を決めた第14回白瀧あゆみ杯争奪戦のアマチュア選抜予選では勝っている[19][20]。ただ、中学時代に野原とともに女子2強という下馬評がありながらも、自身がトップだという意識は持たなかったという[8]。
- アマチュア時代に奨励会入りを検討する時期もあったが、奨励会入りと女流棋士になるのとどちらが良いかを何人かの棋士に質問したところ、「女流棋士が良い」と言われ奨励会入りを勧める棋士がいなかったため、奨励会受験は断念した[7]。
昇段・昇級履歴
主な成績
在籍クラス
女流順位戦の在籍クラスの年別一覧
開始 年度
|
(出典)女流順位戦
|
期
|
白玲
|
A級
|
B級
|
C級
|
D級
|
0
|
2022
|
2
|
|
|
|
|
D24
|
5-3
|
2023
|
3
|
|
|
|
|
D10
|
6-2
|
2024
|
4
|
|
|
|
C19
|
|
6-2
|
2025
|
5
|
|
|
|
C04
|
|
|
女流順位戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
|
年度別成績
女流公式棋戦成績
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2020
|
2 |
1 |
1 |
0.5000 |
[23]
|
(小計)
|
2 |
1 |
1 |
0.5000 |
|
2021
|
19 |
10 |
9 |
0.5263 |
[24]
|
2022
|
27 |
18 |
9 |
0.6666 |
[25]
|
2023
|
39 |
25 |
14 |
0.6410 |
[26]
|
2021-2023 (小計)
|
85 |
53 |
32 |
|
|
通算
|
87 |
54 |
33 |
0.6206 |
[27]
|
2023年度まで
|
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
|
---|
タイトル保持者 【4名】 |
|
永世称号 有資格者 |
- 女流七段 清水市代(クイーン名人・クイーン王位・クイーン王将・クイーン倉敷藤花)
- 女流六段 中井広恵(クイーン名人)
|
---|
|
|
---|
女流五段 【 3名】 | |
---|
女流四段 【 8名】 | |
---|
女流三段 【11名】 | |
---|
女流二段 【21名】 | |
---|
女流初段 【18名】 | |
---|
女流1級 【 9名】 | |
---|
女流2級 【 8名】 | |
---|
現役女流棋士 全82名(2025年1月1日時点)/ △は2024年度の昇段 詳細は将棋の女流棋士一覧を参照。 / 引退者については「Template:将棋の引退女流棋士」を参照。 |
|
---|
白玲 | |
---|
A級 | |
---|
B級 | |
---|
C級 | |
---|
D級 | |
---|
次期参加 | |
---|
休場 | |
---|
数字は順位 / 名前横の「休」は今期休場者 / D級の「*」は降級点の数(3つで女流順位戦の参加資格を失う) 「次期参加」は組み合わせ抽選基準日以降にプロ入りした女流棋士(当期は未参加) / 「休場」は第1期からの休場者(棋戦未参加) |