五十嵐カノア
五十嵐 カノア(いがらし カノア、Kanoa Igarashi、1997年10月1日[1] - )は、男子プロサーファー[2]。木下グループ所属。アメリカ合衆国・カリフォルニア州出身。ISAワールドサーフィンゲームズ2022優勝。2020年東京オリンピックサーフィン競技日本代表[3][4]・銀メダリスト[5][6][7]。2023年9月からハーバード大の経営大学院であるハーバード・ビジネス・スクールに在学中[8]。伯父の葛西一雄は元大相撲力士旭桜隆秀で、現在は専属トレーナーを務める[9]。 人物・経歴1997年、日本人の両親のもとにアメリカ合衆国・カリフォルニア州で生まれ、両親と弟の4人家族で育つ。カリフォルニア州ハンティントンビーチでサーファーである父、五十嵐勉のサーフィン姿を毎日眺めて育つが、3歳の時に見ているだけでは満足できなくなり自らも始めると、すぐに才能を開花させサーフィン界の注目を集めるようになった[1]。「カノア」の名は、ハワイ語で「自由」という意味に由来する[10]。日本語、英語、ポルトガル語など5カ国語が堪能[11]。 6歳でローカルコンテスト「Kids For Clean Waves」でデビューするといきなり優勝[12]すると、当時のアマチュアUSAコーチ(ジョイ・ブラン氏)に見出され、最年少9歳でUSAチームに入る[13]。2009年、11歳の時には、NSSA(National Scholastic Surfing Association、全米アマチュアサーフィン連盟)主催の大会で、トム・カレンと並ぶ1シーズン中の最多勝タイとなる30勝という驚異的な記録を打ち立て全米タイトルを獲得[1]。2010年も同じく全米タイトルを獲得[13]。2011年にメインスポンサーである『Quiksilver』と契約してNSSAからプロのASP(現WSL)に移行すると2012年、プロジュニアからスタートして早くも21歳以下のプロジュニア『DNAエナジープロ』で13歳にして初優勝[13]。ASPの他にも『Rip Curl GromSearch』制覇[13]。さらには『USA Championship U-18』を史上最年少の14歳で優勝する[1]と、Surfing America Championshipsの『Governor’s Cup』を制し、『King of Groms Championships』で2位に入った。チャンピオンシップツアーの予選リーグであるクオリファイリングシリーズには、プロジュニアと併行して2013年から参戦[13]。2014年にハンティントンビーチで開催された『Shoe City Pro』で初優勝[13]。着実にその実力を伸ばすと、2015年アメリカのジュニアツアーで年間1位、クオリファイリングシリーズでもブラジルで開催された6,000『Mahalo Surf Eco Festival』での優勝を始め、好成績を重ねて年間7位の成績を収め、日本人として初めて、2016年のチャンピオンシップツアー参戦資格を獲得[1]。2016年に史上最年少、アジア人で初めて、プロサーフィンの世界最高峰、WSL チャンピオンシップツアー(CT)に参戦すると最終戦のビラボンパイプマスターズで準優勝、年間20位[1]。翌2017年には、チャンピオンシップツアー以外で、最も大きなランクの試合となるQS10,000の地元ハンティントンビーチで開催されたWSL Vans US Openで初優勝する等、実力を発揮してチャンピオンシップツアーは総合ランキング17位。2018年シーズンから、WSLの登録籍を日本に変更[13]。QS10,000『Vans US Open of Surfing』を2連覇すると、9月に開催された「2018 ISAワールドサーフィンゲームス」には日本代表メンバーとして出場し、個人で銀・団体で金メダルを獲得し、大会史上初となる日本のメダル獲得に大きく貢献した[13]。チャンピオンシップツアーは総合10位[13]。2019年のチャンピオンシップツアー、バリでの第3戦「Corona Bali Protected」で自身初、そしてアジア人初の優勝を飾る[1]。ポルトガルでのCT第10戦の結果により、東京オリンピックの出場権を獲得。チャンピオンシップツアーは総合6位と成績を伸ばし続けた[13]。 2021年には、サーフィンが初めて正式種目となった東京オリンピックの男子サーフィンで準決勝で世界ランク1位のガブリエル・メディナを逆転し決勝に進出し、銀メダルを獲得する[14]。2018年、2021年の2位が過去最高だったISA World Surfing Gamesを2022年は1回戦から決勝までの全8ヒートで1位の完全優勝で制し、自身悲願のワールドチャンピオンに生まれ育ったハンティントンビーチで初めて輝いた[15]。五十嵐の活躍により、村上舜、上山キアヌ久里朱と共に3人が出場した日本男子は国別団体でも優勝[15]。CTは総合5位で終える。 2023年はCTで一度も決勝に残れず、総合でも14位タイ。 2024年2月21日、オアフ島・ノースショアのサンセットビーチでのCT第2戦『Hurley Pro Sunset Beach』にて2年前の同舞台以来、久しぶりのファイナル進出も前回と同じく準優勝[16]。2月24日、今夏のパリ五輪最終予選を兼ねたサーフィンワールドゲームズで男子1回戦4組で計11・84点の1位となり、2回戦進出を決めた[17]。この出場により昨年のチャンピオンシップツアーで上位10人(各国上限2人)に入り、パリ五輪代表に条件付きで内定済みだったが、正式に2大会連続の五輪代表にも決まる[17]。 2024年パリオリンピックのサーフィン競技男子では、第3ラウンドでブラジルのガブリエル・メディーナと対戦したが敗れて準々決勝進出を逃した[18]。 戦績
受賞歴
CM脚注
外部リンク
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