ミス・ユニバース
ミス・ユニバース(英語: Miss Universe)とは、国際的なミス・コンテストである。 大会は世界各国の都市で開催され、世界の各国代表が参加して世界一の栄冠を競い合う美の祭典となっている。また、ミス・ワールド、ミス・インターナショナル、ミス・アースと合わせて世界四大ミスコンテストとも呼ばれ[1][2]、世界的に知名度の高いミス・コンテストの1つである。ミス・ユニバース1959に選ばれた児島明子のスピーチにより「美のオリンピック」とも言われる[3][注釈 1]。 歴史もともとは1926年から1935年までテキサス州ガルベストンで「International Pageant of Pulchritude」、別名「ミス・ユニバース」というミスコンテストが開催されていた。しかし世界大恐慌と第二次世界大戦の影響で消滅した。 1950年に開催された「ミス・アメリカ1951」の優勝者、Yolande Betbeze が、大会スポンサーの「カタリナ」(Catalina)から提供された水着でポーズをとることを拒んだことが「ミス・ユニバース」誕生のきっかけとなった。この一件で「カタリナ」を製造しているパシフィック・ミルズ社(Pacific Mills)はミス・アメリカのスポンサーから撤退し、独自のミスコンテスト「ミスUSA」とその世界版「ミス・ユニバース」を開催した。最初のミス・ユニバースはカリフォルニア州ロングビーチで行われたミス・ユニバース1952で、フィンランド代表のアルミ・クーセラが優勝した。 決勝は1952年から1971年までは毎回アメリカ合衆国国内で、1972年はアメリカ合衆国の海外領土で開催されたが、1973年以降はアメリカ国外でも開催されるようになった。 1955年には最初のテレビ中継が始まった。1960年からCBSがミスUSAとミス・ユニバースの全米中継を行った。ミス・ユニバース社(パラマウント映画の関連会社)が保有していたが、1996年にドナルド・トランプがITT社の事業から買収し[4]、本部もロサンゼルスからニューヨークに移転。1998年にはミス・ユニバース機構に変更[5]。2003年以降はNBCとの合弁事業となるが、トランプの大統領選挙による不適切発言でNBCは2015年1月に開催された第63回大会を最後に撤退。トランプはNBCが保有していた50%のミス・ユニバース機構の所有権を買い取り、100%の所有者となったが、3日後にWME/IMGに売却した[6]。トランプの関与が無くなったのを受けて、2015年12月の第64回大会はFOXで放送された[7]。決勝は原則プライムタイムで生中継されている。また、ミス・ユニバース機構は決勝の放送権を世界各国のテレビ局に販売している。 日本からは1952年(昭和27年)以来、「ミス・ユニバース・ジャパン」の優勝者が日本代表となって大会に出場し、1953年には伊東絹子が3位で初入賞したほか、これまでに児島明子(1959年)と森理世(2007年)の二人が優勝してミス・ユニバースとなっている。また、アメリカ合衆国占領下の沖縄からは、1963年(昭和38年)から1968年(昭和43年)までの6年間、独自の「沖縄代表」が世界大会に出場していた。 日本の朝日放送は、世界大会を1967年大会から[8]1974年大会までJNN系列で、1975年大会から1995年大会までANN系列で地上波全国ネットで録画放映していた(進行は英語のため、日本語吹き替え。日本語版の進行役ナレーターは同局アナウンサー)。しかし翌1996年からは撤退し、以降は放映していないが、1998年以降は、CS放送・ケーブルテレビなどのFOXチャンネル(日本語字幕入り)にて、世界大会の日本放映が復活している。 2002年大会から2007年までと2017年、2018年は優勝者の王冠はミキモト製を使用していたが、2008年大会はベトナムのPNJ社製のクラウンを使用した。2009年から2013年までは人工宝石会社Diamond Nexus Labs製のクラウンを使用していた。2014年から2017年1月(2016年)大会まではチェコのダイヤモンド・インターナショナル・コーポレーションのクラウンを使用していた[9][10]。2019年からはMouawad社製の王冠を使用している。 2012年4月10日、ミス・ユニバース機構は規約を改正し、翌2013年大会からトランスジェンダーにも門戸を開放することを発表した。2012年のカナダ大会に出場したジェナ・タラコバが、「生まれつき女性であること」とする条件に反していたことと、その後性別適合手術を受けたのを理由に失格となったものの、同機構の代表を務めていたドナルド・トランプの意向で失格を撤回させたことが背景にある[11][12]。 選考方法選考基準として、単なる外見の美しさだけではなく、知性・感性・人間性・誠実さ・自信などの内面も重視される。加えて、社会に積極的に貢献したいという社会性やスピーチ力を兼ね備え、世界の各国代表と対等に交流できる国際的な女性像が求められる[13]。 大会では、各国代表が事前審査・水着審査・イブニングドレス審査・スピーチや質疑応答といった何次かの選考(勝ち抜き方式)に臨みながら徐々に進出者数が絞られていき、最終的にミス・ユニバース世界大会優勝者が決定される。また全参加者を対象に、フォトジェニック賞やナショナル・コスチューム賞といった部門賞も決定される。 かつては地域に関係なく選考が進められていたが、2017年大会から第一次選考方法が大きく変更された。参加国を「アフリカ・アジア太平洋」「ヨーロッパ」「アメリカ(北中南米)」の3つのグループに分け、各々からまず4名ずつ通過者を選出し、更に地域を問わず4名を追加選出するシステムが採用された[14]。 国の代表に選ばれると、副賞として多額の賞金、高級車を贈呈される。なお、ミス・ユニバース2006年世界大会で第2位となった知花くららによると、ミス・ユニバースの活動内容について「ニューヨーク市を拠点に、1年間世界各地をまわって、開発途上国などでチャリティー活動を行います。HIV撲滅のチャリティー活動がメインですね」と述べており[15]、社会貢献活動が中心となる。 ミス・ユニバース機構JKNグローバル・グループが出資しているミス・ユニバース機構はニューヨークに本部を置く組織で、ミス・ユニバースを主催している。慈善奉仕活動や、各種公式行事などのプロモーション活動に出席し、世界中の慈善活動の資金提供を受ける特典及び義務を与えられるほか、記念のサッシュ(賞の名前が記されたタスキ状の布)が貸与される。 かつては本大会の米国代表選考会ミスUSAと、その妹版ミス・ティーンUSAも主催していたが、2023年8月に運営権を手放すことになった。 歴代のミス・ユニバース近年のミス・ユニバース
優勝者出身国一覧2023年現在
歴代の日本代表→歴代の日本代表については「ミス・ユニバース・ジャパン § 歴代の日本代表」を参照
脚注注釈
出典
関連項目
外部リンク
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