マクラーレン・オートモーティブ
マクラーレン・オートモーティブ (McLaren Automotive) は、イギリスの高級スポーツカーメーカーである(前身はマクラーレン・カーズ)。イギリスのサリー州ウォキングにあるマクラーレン・テクノロジーセンターを拠点とし、スーパーカーを自社生産する。2017年7月、マクラーレン・オートモーティブは、マクラーレン・グループの100%子会社となった。 起源と創設者2010年、マクラーレン・オートモーティブ設立。前身は1985年に設立されたマクラーレン・カーズ(McLaren Cars)。同社は1992年、マクラーレン・F1(McLaren F1)を発表する。その後マクラーレン・オートモーティブが立ち上がる1994年から2010年の間、マクラーレン・カーズは活動を休止。当初マクラーレン・オートモーティブは、新ベンチャー企業として投資を意識し、既存のマクラーレン・グループ会社とは別であったが、2017年7月に創設者ロン・デニスが株を売却した後にグループに合併された。 マクラーレンの創設者であるブルース・マクラーレンについて、 →詳細は「ブルース・マクラーレン」を参照
合併、スピンオフ、成長1980年、マクラーレンはロン・デニスのプロジェクト4レーシングチームと合併。カーボンファイバーはすでに航空宇宙用途で利用されていたが、完全なレーシングカーのモノコックに適用された実績はなかった。マクラーレンは、新車MP4/1でモーターレースでのカーボンファイバーの採用を開拓し、これが フォーミュラ1に新しいレベルの剛性とドライバーの安全性をもたらすことになる。1988年8月、チームプリンシパルであるロン・デニスとゴードン・マレーが新しい車の開発をスタート。1992年にマクラーレン・F1が発売され、その総生産台数はわずか106台であった。 SLRマクラーレンでのメルセデス・ベンツとのコラボレーションの後、マクラーレン・オートモーティブは、2010年に独立したメーカーとして再スタートする。同社は2011年にMP4-12C、2012年に同スパイダーモデルを発売。限定生産のP1は2013年に生産を開始し2015年に終了。毎年新車ないしは新モデルをリリースするビジネスプランを発表した後、2014年650S、そして570Sと540Cで構成される新しいスポーツシリーズを2015年に発表している。2016年9月にP1に続いて子供向けの初の電気自動車、P1TMを発表した[1]。 本社と施設マクラーレン・オートモーティブは、マクラーレン・グループであるマクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)と、隣接するマクラーレン・プロダクション・センター(MPC)を拠点としている。 2つの施設は地下通路で繋がっており、MPCは部分的に地下に建設されている。 2017年、マクラーレンはシェフィールド市とロザラム市の間に位置する、アドバンスドマニュファクチャリングパークに5,000万ポンドのマクラーレン・コンポジット・テクノロジー・センター(MCTC)を建設すると発表。この施設は、マクラーレンロードカー用のカーボンファイバーシャーシを構築し、複合タブの製造をより細かく制御できることを目的としており、タブの設計と開発のペースも向上する。MCTCは、ケンブリッジ公爵、ケンブリッジ公爵夫人、バーレーン王国皇太子が式典に招待され、2018年11月に正式に開設[2]。2020年までにMCTCでの完全生産がスタートする。 製品と戦略マクラーレンは、2015年にベースとなる3カテゴリーを発表。スポーツ、スーパー、アルティメイトの3シリーズに分類 (*現在は、GT、スーパーカー、アルティメイト)。スポーツシリーズとスーパーシリーズの車には、PSでの車の出力に基づいて名前が付けられ、その後にモデル指定が続く(Cはクラブ、Sはスポーツ、GTはグランドツアラー、LTはロングテール)。エントリーレベルのスポーツシリーズは、570S、570Sスパイダー、570GT、540C、600LT、600LTスパイダーで構成。マクラーレンのコアモデルであるスーパーシリーズには、当初650S、625C、675LTだった。これらは2017年に720S、720Sスパイダーに置き換えられた。ハイエンドのアルティメイトシリーズは、P1とP1 GTRが主導し、現在は元のF1の後継となることを目的とした、セナ、セナGTR、スピードテール、エルバが含まれる。マクラーレンF1はアルティメイトシリーズ、MP4-12Cはスーパーシリーズに包括される。 ラインアップ
過去の車種
コラボレーションメルセデス・ベンツ・SLRマクラーレン→詳細は「メルセデス・ベンツ・SLRマクラーレン」を参照
未発表車両メルセデス・ベンツとのパートナーシップにより、さらに3台の車が提案された。P9は、より安価なモデルを備えたミッドシップのベビースーパーカーであり、P8(または「SLS」)は、フェラーリ・F430、ベントレー・コンチネンタルGT、アストンマーティン・DB9などの車と競合した。両車も自然吸気のV8エンジンを搭載することになっていた。またP10は、SLRマクラーレンの代替車の予定だった。 しかし、メルセデス・ベンツ・SLS AMGと呼ばれる、フラッグシップスポーツカーを製造するにもかかわらず、メルセデスはプロジェクトにコストをかけすぎで、本来の堅実なビジネスができていないと噂され、3台すべての車が2005年に中止された。SLS AMGは570bhp(430 kW; 580 PS)以上の自然吸気V8エンジンを搭載していた。ただし、P8プロジェクトとは関係ないと考えられている。 コンセプトカー
マクラーレンGTマクラーレンGTは、マクラーレン・オートモーティブにおけるGTレース活動のために2011年に設立され、マクラーレンGTレース車の開発から製造までを担っている。この部門は現在、720S GT3 および 570S GT4の設計、開発、製造を担当。 最初に開発された車は、2011年に発表された MP4-12C GT3であり、開発年を経て、2012年にはヨーロッパ全土でレースを行うために25台が顧客に届けられた。デビューシーズンには、13のマクラーレンGTカスタマーチームが14カ国を訪れ、FIA GT1世界選手権、ブランパン耐久シリーズ、バルセロナ24時間、英国GT、シティチャレンジバク、FFSAフレンチGT、GTカップにて、計19回のレースで勝利を収めた。 計19のマクラーレンGTカスタマーチームが2013年シーズンに参戦し、世界15のチャンピオンシップで、108のレースに参戦。チームはトータル 27のポールポジション、23の勝利、さらに39の表彰台フィニッシュと3つのチャンピオンシップタイトルを獲得した。 大成功を収めた2013年のシーズン以降、マクラーレンGTは、北米でのピレリ・ワールド・チャレンジ・チャンピオンシップにおいて、12C GT3カーがデビューを果たし、カスタマーサポートを拡大した。 およそ15台の650S GT3 が、2015年のレースシーズン中にデビューを果たし、数々の勝利を収めた。とりわけマクラーレンGTカスタマーレーシングチームのフォン・ライアン・レーシングは、シルバーストンでのブランパン耐久シリーズで勝利を収め、デビューシーズンの650S GT3でブランパン耐久シリーズの最初の勝利を記録した。 650S GT3は2016年の主要なGT3カーであった。同年2月、オーストラリアのチームTekno Autosportsは、オーストラリアのマウントパノラマサーキットで、ドライバーのアルヴァロ・パレンテ、シェーン・ヴァン・ギスベルゲン、ジョナサン・ウェブとともに、バサースト12時間で総合優勝した。ブランパンGTシリーズ耐久カップでは、イギリスのチーム’ガレージ59’が、ドライバーのヴァン・ギスベルゲン、ロブ・ベル、コーム・レドガーとともに、モンツァ3時間とポール・リカール1000kmで優勝、年間タイトルも獲得した。 マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)マクラーレン・オートモーティブのビスポーク部門である。2011年に正式に発足したMSOの起源は20年以上も前に遡り、オーナーのためにマクラーレンF1のサービス、メンテナン ス、およびパーソナライズを行うために、1990年代初頭に設立されたマクラーレンカスタマーケアプログラムから部門が発展した。 出典
外部リンク
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