ポーランド語アルファベット(波: alfabet polski(アルファベト・ポルスキ)または abecadło(アベツァドウオ))は、ポーランド語を書き表すために使われる字母で、ラテンアルファベットを基本とする32文字からなる。補助記号を用いた文字が9種類ある。なお、Q, V, Xは外来語にしか用いない。
文字と読み
大文字 |
小文字 |
文字の名前 |
音価 |
備考
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A |
a
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a ア
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/a/
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Ą |
ą
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ą オン
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/ɔ̃/
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o の鼻母音。語頭には来ない。
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B |
b
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be ベ
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/b/
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C |
c
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ce ツェ
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/ts/
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日本語の「ツァ」、「ツ」の子音。ciのc、ci+(i以外の母音)のciはćと同じ発音。
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Ć |
ć
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cie チェ
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/tɕ/
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日本語の「チャ」行、「チ」の子音。語末または子音の前に用いる。
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D |
d
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de デ
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/d/
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E |
e
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e エ
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/ɛ/
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Ę |
ę
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ę エン
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/ɛ̃/
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e の鼻母音。語頭には来ない。
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F |
f
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ef エフ
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/f/
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G |
g
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gie ギェ
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/g/
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H |
h
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ha ハ
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/x/
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喉の奥から強く息を出す摩擦音。
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I |
i
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i イ
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/i/
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J |
j
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jot ヨット
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/j/
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英語「young」の y の音。日本語の「ヤ」行の子音。
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K |
k
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ka カ
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/k/
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L |
l
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el エル
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/l/
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Ł |
ł
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eł エウ
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/w/
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英語「water」の w の音。
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M |
m
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em エム
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/m/
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N |
n
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en エヌ
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/n/
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niのn、ni+(i以外の母音)のniはńと同じ発音。
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Ń |
ń
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eń エニ
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/ɲ/
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日本語の「ニャ」行に近い。語末または子音の前に用いる。語頭には来ない。
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O |
o
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o オ
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/ɔ/
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Ó |
ó
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o kreskowane オ・クレスコヴァネ
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/u/
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u とまったく同じ音。
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P |
p
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pe ペ
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/p/
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R |
r
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er エル
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/r/
|
巻き舌音。
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S |
s
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es エス
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/s/
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siのs、si+(i以外の母音)のsiはśと同じ発音。
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Ś |
ś
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eś エシ
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/ɕ/
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日本語の「シャ」行、「シ」の子音。語末または子音の前に用いる。
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T |
t
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te テ
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/t/
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U |
u
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u ウ
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/u/
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W |
w
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wu ヴ
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/v/
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英語「village」の v の音。
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Y |
y
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i grek イ・グレク
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/ɨ/
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「イ」と「ウ」の中間のような音。ロシア語のЫの発音に同じ。
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Z |
z
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zet ゼット
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/z/
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ziのz、zi+(i以外の母音)のziはźと同じ発音。
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Ź |
ź
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ziet ジェット
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/ʑ/
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日本語の「ジャージ」[d͡ʑaːʑi] の「ジ」の子音。語末または子音の前に用いる。
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Ż |
ż
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żet ジェット
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/ʐ/
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[ʒ] に似ているが、舌先をより歯茎の奥に持っていって発音する。
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母音
- ą は、舌を動かさずに「おん」のように発音する。歴史的には文字が表すように a の鼻母音(ただしやや o 寄りの音)であった。時代が下るにつれて次第に o に対応する鼻母音となっていったが、文字は ǫ とならずそのままの形を保ったため、文字と音価がずれてしまった。
- ę は、「円」のように発音する。
- y は、「イ」の口構えで「ウ」または「エ」を発音するような音である。ty や my ならば t, m を発音するときの調音点を動かさずに「イ」を発音すればよい。「トゥイ」、「ムィ」であり、「ティ」や「ミ」ではない。
子音
- 2文字で1音を表すもの
- ch [x] は h と同じ音。
- dz [dz] は c に対応する有声子音。「ヅァ」「ヅェ」「ヅォ」の音。
- dź [dʑ] は ć に対応する有声子音。「ヂャ」「ヂュ」「ヂョ」の音。
- sz [ʂ] は ż に対応する無声子音。舌先を奥に持ち上げて発音する、ややくぐもった「シャ」。
- rz [ʐ] は ż と同じ音。
- cz [tʂ] は、sz と同じようにして発音するややくぐもった「チャ」音。
- dż [dʐ] は cz に対応する有声子音。
その他
- q, v, x はそれぞれ、ku, fau, iks と読む[1]。
- ć, ń, ś, ź, dź は語末または子音の前にしか使わない。母音の前の [tɕ], [ɲ], [ɕ], [ʑ], [dʑ] を表す時には、その母音が i の時には c, n, s, z, dz を、i 以外の時は ci, ni, si, zi, dzi を使う。
オゴネク
オゴネク (˛) は鼻音性を表す。
クレスカ
ただし Ł は硬音であり、対応する軟音は L である。
なお、Ó ó に付いているクレスカは、かつて「音の狭さ」を表していたものの名残である。
クロプカ
クロプカ (˙) は歯茎音性を表す。
脚注