ボム兵(ボムへい、Bob-omb)は、任天堂が発売したコンピュータゲームソフトのシリーズ、マリオシリーズに登場する架空のキャラクター。初登場時は「ボム兵」と表記されていた[1]が、それ以来は「ボムへい」と表記されることが多くなっている。
概要
初登場は1988年のファミコンソフト『スーパーマリオブラザーズ3』。ただし、同作取扱説明書P38において「よーく見るとどこかで見たことがあるなぁ」と、『夢工場ドキドキパニック』に登場した「ボブ」と同種である事が示唆されている。英語表記ではボム兵もボブも同じ"Bob-omb"であり、全くの同一キャラクターとして扱われている。
外見は爆弾である。いくつかのタイプが存在するが、「体は球体で、中央付近に2つの目、下部に2本の足、上部に導火線と起爆スイッチが付いている」という形状は共通している。また、動力はゼンマイである。初登場時は紫色だったが、『スーパーマリオワールド』以降は黒色になり、以降はこれが基本色となっている。『スーパーマリオサンシャイン』では目が赤色で、目の部分には3から始まるカウントダウンが爆発直前にデジタル表示される機能がある。
普段は地上を歩き回っているだけだが、捕まえたり、目が合うと追いかけてきて自爆する。踏みつけたりファイアボールをぶつけたりすることでも点火して爆発することがある。また、爆発の直前は体が光ったり、行動が止まったりすることが多い。爆発を利用してマリオが壊せないブロックや、特定の床を破壊することもできる。
人工物と明言されたり、使い捨てのアイテムとして扱われたりする場合もあれば、明確な人格を持った生き物のような存在として描かれる場合もあり、作品によって扱いは大きく異なる。また、それぞれのゲームごとに特別な設定が追加されている場合もある。
腕は存在しないと思われていたが、『マリオストーリー』のエンディングで腕があることが発覚した。
劇場版『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』では「ボム爆弾」と呼ばれていた。同映画では珍しく原作そのままの姿をしている。
ニンテンドーゲームキューブ以降の『マリオカート』シリーズではアイテムとして登場[2]。投げるか設置した後一定時間で爆発し、爆発に巻き込まれたり爆風に触れると転倒・スピンする。また、『マリオカートアドバンス』では、3人以上のバトルモードで、風船を全部失ったキャラクターはボム兵に変身し、他のライバル当たり攻撃ができ『ゲームボーイギャラリー3』にも「エッグ」のいまモードで登場する。クッキーに混じって時々流れてくる。ヨッシーが食べるとミスになる。
『マリオパーティ』シリーズではミニゲームやカプセルとして登場する作品もある。
『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズでは投てきアイテムとして登場する。投げつけたり攻撃したりすると爆発し、かなりの威力でふっとばす。一定時間放っておくと自分から歩き出し、触れるだけで爆発するようになる。さらに一定時間たつと移動停止して自爆するが、『DX』からはこの予兆の間に再び拾うことができるようになる。くす玉から大量に出現することもある。
ゲームでの登場に関わらず、『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン』ではカチューシャやキーホルダーなどのグッズも発売されている。また、『マリオカート〜クッパからの挑戦状〜』ではボムへいの作り方の映像が待ち列に放映されており、クッパ側の敵であることがうかがえる。
派生種
- 赤ボム(Bob-omb Buddy)
- 『スーパーマリオ64』で初登場。赤いボム兵。通常のボム兵(黒ボム)との間で戦争をしているが、マリオには友好的で危害を加えない。また、移動用の大砲を貸してくれる。リメイク版の『スーパーマリオ64DS』ではアイテムの位置なども教えてくれるようになった。
- その後、『マリオパーティ』で正式に黒ボムと和平を結んでいる。また、『New スーパーマリオブラザーズ』のミニゲーム『あやうし! ボムへい』『ボムへい・リバーシ』『ボムへいをわけろ!』『ボムへいサドンデス』にも登場。『スーパーマリオギャラクシー2』では、星船マリオと『スーパーマリオ64』のコース「バッタンキングのとりで」を再現した「なつかしの砦ギャラクシー」に登場する。
- パラボム(Parabomb)
- 『スーパーマリオワールド』『スーパープリンセスピーチ』『New スーパーマリオブラザーズ Wii』以降のNewマリオシリーズのほか『スーパーマリオ64DS』『New スーパーマリオブラザーズ』のミニゲームにも登場。パラシュートを付け、空中から降ってくるボム兵。踏むか、地上に降りると普通のボム兵になる。
- プチボム(Microbomb)
- 『スーパーマリオRPG』で登場。小さめのボム兵。ボスキャラクターのペパットが従えているほか、壁を壊す道具としても登場。
- ビッグボム(Mezzo Bomb)
- 『スーパーマリオRPG』で登場。やや大きめのボム兵。登場はペパットが従えている者のみ。能力は通常のボム兵より高いが基本的な行動は同じ。
- キングボム(King Bomb)
- 『スーパーマリオRPG』で登場。超大型のボム兵。ペパットが最後に切り札として呼び出そうとするが、未完成のためうまくいかず、ようやく出てきた時にペパットを押し潰してしまう。さらに落石がぶつかった衝撃で自爆する。後にカメザードが自分を守る壁として呼び出すモンスターのひとつとして登場する。直接戦闘をするのはカメザード戦の時のみで、名前が明かされるのも同じ時である。通常攻撃はしないが時間がたつと「超自爆」という全体攻撃を使って消滅する。「爆発するほか能が無い」らしい。
- ハイボム(Rob-omb)
- 『スーパーマリオRPG』で登場。ボム兵の上級種。
- ヘビーボム(Bulky Bob-omb)
- 『ペーパーマリオRPG』で登場。大型のボム兵。色はピンク色。防御力に長けている他、集団で現れた場合、1体でも爆発すると残りのヘビーボムも誘爆するという性質を持つ。戦闘開始から攻撃力を上げ始め、その後自爆する。この時の攻撃力は「8」。自爆以外の攻撃は一切しない。
- ジャイアントボム(Bob-ulk)
- 『ペーパーマリオRPG』で登場。大型のボム兵。色は紫色。ヘビーボムの強化版。100階ダンジョンの90階台にしか登場しないので会うのが難しい。戦闘開始から攻撃力を上げ始め、その後自爆する。この時の攻撃力は「16」。
- 時限ボム(Time Bob-omb)
- 『マリオ&ルイージRPG』で登場。ロイ戦、ウェンディ戦、ラリー戦で登場する顔に数字が付いたボム。時限ボムの爆発に巻き込まれると即死する事から、『スーパーマリオRPG』の「一撃死」を彷彿とさせる。バトル開始直後は、数字が「8」だが、1ターン経過するごとに1ずつ減っていき、0になるとマリオとルイージの所まで行って爆発しゲームオーバーとなる。なお、時限ボムは数字が0になるまでは数字を1ずつ減らすだけだが、こちらから攻撃して追い出すような事も出来ない。
- ゲドンコボム
- 『マリオ&ルイージRPG2』で登場。ゲドンコリーダー戦で、3体のゲドンコサポーターが支えている巨大なボム。支えるには最低2体のサポーターが必要で、右の2体のサポーターを倒すとゲドンコボムが右側へ転がり、巻き込まれたゲドンコリーダーが登場する。左の2体または両端を倒してしまうとゲドンコボムが左のマリオ側に転がり、大ダメージを受ける。
- ひっさつボム(Lethal Bob-omb)
- 『マリオ&ルイージRPG2』で登場。ボム兵の上級種。自爆しか出来ないボム兵。
- ハナビボム兵(Kab-omb)
- 『New スーパーマリオブラザーズ』『マリオゴルフ ワールドツアー』で登場。動きは通常のボム兵と同じだが、ファイアボールや火山弾に当たると点火してしばらくマリオを追跡した後、爆発するときに空中へ打ち上がる。『マリオゴルフ ワールドツアー』ではアイテムとして登場する。
- ウルヘイ(Alarm Bob-omb)
- 『マリオ&ルイージRPG3!!!』で登場。目覚まし時計のようなボム兵。アラームを鳴らしながらマリオ兄弟やクッパの前をうろつき、最後には自爆する。眠っているゴーネムがいる時、アラームを何度か止められてしまうがクッパのカウンターで倒してしまうとゴーネムのPOWを上げてしまう。
- ジェイルン
- 『マリオ&ルイージRPG3!!!』で登場。ボム兵(またはクリボー)を中に閉じ込めた動く檻の敵。大砲から弾を発射したり、盾を構えて突進してきたりする。倒すとボム兵(クリボー)は解放され、クッパ相手だと感謝して回復アイテムを投げてくれる。しかしボム兵の場合、ブレス攻撃など炎を当てると爆発してしまい、助ける事が出来ない。
- ボムへい(ダークボコスカ)
- 『マリオ&ルイージRPG3!!!』で登場。ラストボス、ダーククッパの必殺技「ダークボコスカ」で登場するクッパ軍団を模した暗黒モンスター。突進してくるところを反撃するとその場で爆発するが、反撃に失敗すると大きなダメージを喰らう。
- しっぽボムへい(Tail Bob-omb)
- 『スーパーマリオ 3Dランド』で登場するタヌキのしっぽが生えたボム兵。空中からフワフワと落下してきて、地上に降りてしばらくすると爆発する。
- キラボムへい
- 『ペーパーマリオ スーパーシール』で登場するキラシールのボム兵。通常のボム兵より少し強い。
- ボムへい(緑)
- 『MARIO SPORTS MIX』のミニゲーム『ドッジ オア ダイ』のハードモードで登場する緑色のボム兵。ロックオン機能を持っており、プレイヤーをロックオンした後高速でロックオンしたプレイヤーに飛びついて来る。
- ドリームボムへい(Dreamy Bob-omb)
- 『マリオ&ルイージRPG4 ドリームアドベンチャー』に登場。ドリームクッパの召喚するモンスターの一種。
- ペーパーボムへい
- 『マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX』で登場。『ペーパーマリオ』シリーズに登場するボム兵の総称。
- ボムへい・ジュゲム
- 『パズル&ドラゴンズ スーパーマリオブラザーズ エディション』に登場。敵として登場した場合、ジュゲムがボム兵を投げて攻撃してくる。味方にする場合、ボム兵からジュゲムコイン×4で変身(進化)、スキル名は『おとしもの』で、効果は「HPを1にして、1ターンの間、光属性の攻撃力が2倍になる」というもの。これ以上変身しないキャラクターとしては珍しく、最大レベルが50までとなっている。(基本的に最終変身形態、及び初めから変身しないキャラクターは、最大レベルが99となる。)
- ギガボムへい(Giga Bob-omb)
- 『マリオカート ツアー』に登場。ボムキング(後述)に似た見た目のスペシャルアイテムであり、使用するとボムキングのように何度か前方へ跳ね、通常のボムへいより大きな爆発を起こす。
- ハナビへい
- 『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』に登場。
近種
- どんけつ
- 『スーパーマリオ64』で登場。ボム兵の近種。姿はボム兵に似るが、目が大きく、2本の角を生やしている。
- マリオに向かって来るが爆発せず、体当たりで攻撃してくる。繰り返しパンチなどで溶岩に落とし、破裂させる以外に倒す方法は無い。逆に、彼らの体当たりを受けてもダメージは無く、彼らもマリオを溶岩に落とそうとしている。
- アイスどんけつ
- 『スーパーマリオ64』で登場。氷のどんけつ。体は水色で角も1本になっているが、倒し方や行動パターンはキングどんけつと同じ。ただし、よく滑る氷の床の上で戦う事になる為、若干倒しにくい。
- ホルヘイ
- 『スーパーマリオ64』で登場。中型の敵。姿はボム兵に似ているが、車輪で移動する、導火線が丁髷のようになっている、自爆はしないなど相違点も多い。マリオを見つけると高速で迫って来て、ボムキングと同じように放り投げようとする。狭い所に現れる事が多い。色は紫。後ろに回りこんで持ち上げ、放り投げると破裂してコインが出る。
- ボブ
- 『夢工場ドキドキパニック』と『スーパーマリオUSA』で登場。行動パターンはボム兵とほぼ同じだが、こちらは壺から出てくる。また、コンドル型キャラクター「トンドル」が落としてくる場合や、野菜に混じって地面に埋まっている場合もある。
- 危険だが、壁を爆破する為に必要となる事もある。
- ばくだんミニカー
- 『マリオカート64』で登場。VS対戦時に登場するカート。コース内に設置されているもしくは狭い範囲を動いており、衝突すると大爆発する。また、3人以上でバトルをしていた場合、リタイアしたキャラクターがこれに変身して他キャラクターに体当たり攻撃をする事も出来る。『マリオカート ダブルダッシュ!!』、『マリオカートWii』にも「ボム兵カー」として登場している。
- ボムニャン
- 『スーパーペーパーマリオ』で登場。ネコ型のロボット。カメレゴンに呼び出され登場する。ボム兵と同様時間が経つと体が赤くなり始め、やがては自爆する。
- アリへい
- スーパーマリオ 3Dワールドに登場する蟻のようなキャラクター。顔はボム兵に似るものの当たってもダメージを受けず、マリオは跳ね返される。
個別
マリオの味方をしたり、ゲーム中で重要な役割を担うボム兵もいる。『マリオパーティ』シリーズや『マリオストーリー』で冒険の手助けをしている者がいるが、ミニゲームに登場する事も多い。
- ボムキング
- 『スーパーマリオ64』で初登場。ボム兵の王様。通常のボム兵の6倍程の大きさがあり、髭と王冠と腕が特徴。行動は鈍いが、近づくと放り投げようとしてくる。『スーパーマリオ64DS』では小型のボム兵を作り出す能力も加わっている。
- 「フェアな戦い」を望んでいるらしく場外に投げ捨てられると文句を言うが、自分は平気で(しかも結構積極的に)場外に投げ捨ててくる。以降のマリオ作品にもたびたび登場し、ボスパックンと並んでマリオシリーズに定着したボスキャラクター。『スーパーマリオ64DS』では、「この前来たヒゲの奴ら(マリオ、ルイージ、ワリオ)は口ほどにも無かった。3秒でボコボコにしてやった」とも言っている。『マリオカートDS』でミッションランのLEVEL5のボスとして再び登場。プレイヤーは、アイテムボックスから出るボム兵で攻撃する。たまに自爆をする事がある。また、『マリオパーティ9』からはボスバトルミニゲームとして登場する。『マリオパーティ アイランドツアー』、『マリオパーティ スターラッシュ』にも登場する。
- 『マリオカート ツアー』では初めてプレイヤーキャラクターとして登場した。
- なお、『ファイナルファンタジーシリーズ』に登場するボムキングは特徴が異なる。
- ボスどんけつ
- 『スーパーマリオ64』で初登場。どんけつの王様。ボムキング並に巨大で、攻撃力も高いが、基本的な性質はどんけつと変わらない。どんけつより声が低い。見た目はどんけつを一回り大きくした姿だが、『スーパーマリオ64DS』では、眉間に皺がつき、赤い隈取がついた。『マリオカートDS』でミッションランのLEVEL1のボスとして再登場。プレイヤーは、アイテムボックスから出るトリプルキノコを使って湖に落とす。
- キングアイスどんけつ
- 『スーパーマリオ64DS』で登場。アイスどんけつの王様。アイスどんけつよりさらに大きく、髭も生やしている。また、3回落とさないと倒せず、1、2回目は復帰時に足場を崩してくる。『マリオカートDS』でミッションランのLEVEL6のボスとして登場。プレイヤーはアイテムボックスから出るトリプルキノコを使って湖に落とす。2回落とすと、こちらが体当たりしてきた時にジャンプでかわす事がある。表向きのミッションランのラストボス(真のボスはハナチャン)。
- ピンキー
- 『マリオストーリー』で登場。仲間として登場するピンクのボム兵。女の子で、かなりお転婆な性格で、ゼンマイがハート型で三つ編みの髪(導火線)を付けているのが特徴。
- ブルース
- 『マリオストーリー』で登場。脇役の青いボム兵。ピンキーに恋をしており、熱烈なラブコールとラブレターを送っているものの、ピンキー本人からは非常に嫌がれている。
- バレル
- 『ペーパーマリオRPG』で登場。仲間として登場する年老いた船乗りのボム兵。帽子をかぶってヒゲを生やし、ゼンマイが操舵輪になっているのが特徴。技はピンキーと多少異なり、時限爆弾なども使いこなす。酒好きで、お気に入りの一本は「ヴィンテージ・レッド」。
- ホワイトしょうぐん
- 『ペーパーマリオRPG』で登場。
- ゴールドマン
- 『ペーパーマリオRPG』で登場。
- ボム平(ペーパーマリオ オリガミキング)
- 『ペーパーマリオ オリガミキング』で登場する記憶と導火線を失ったボム兵。オリビアに誘われマリオの仲間になり、戦闘にも参加する。
登場作品
(64とGBAはバトルモードの負けると変身(3人以上)、GC以降はアイテムで登場)
脚注
関連項目
- キラー - ボム兵と同じくマリオシリーズを代表する武器・火器モチーフのキャラクター。