プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験(プロジェクトマネージャしけん、Project Manager Examination、略称プロマネ、略号PM)は、情報処理技術者試験の一区分である。試験制度のスキルレベル4(スキルレベルは1~4が設定されている。)に相当し、高度情報処理技術者試験に含まれる。対象者像は「システム開発プロジェクトの責任者として、プロジェクト計画を立案し、必要となる要員や資材を確保し、計画した予算・納期・品質の達成について責任をもってプロジェクトを管理・運営する者」。 概要システム開発計画を円滑に運営する責任者、いわゆる(役割としての)プロジェクトマネージャを対象者とした国家試験である。情報システム開発・運用側に属し、システムアナリスト(ITストラテジスト)の策定したプランを具体的に実行するため、開発プロジェクトの最高責任者としてプロジェクトを組織し、指揮、監督を行う。品質・コスト・納期目標の達成にあたってプロジェクト全体を統率しリーダーシップを発揮する人材とされ、システム開発の要素技術や管理手法、関連法令など幅広い知識が必要になる。そのために実際のシステム開発要員としての経験、すなわち、システムアーキテクト(アプリケーションエンジニア)やテクニカルエンジニア(ネットワークやデータベースといったスペシャリスト)、プロダクションエンジニア(ソフトウェア開発技術者)など、他の高度情報処理技術者として経験を積んでいることが必要とされ、試験もそれらと同等以上の知識・経験を持つ実務経験者を想定している。 プロジェクトマネージャの社会的な需要は高く、ITPro(日経BP)の調査では、「技術職の社員に取らせたいIT資格」として2006年版以降毎年第1位となっており[1]、IT業界の花形資格と言われることも多い。 沿革
形式
試験時間50分。四肢択一式(マークシート使用)で30問出題され全問解答。他の高度情報処理技術者試験と共通のスキルレベル3相当の問題が出題される。満点の60%を基準点とし基準点以上で午前I試験通過となる。基準点に達しなかった場合は不合格で、午前II・午後I・午後IIは採点されない。
試験時間40分。四肢択一式(マークシート使用)で25問出題され全問解答。プロジェクトマネジメント分野(最高スキルレベル4)が中心に出題されるが、システム戦略や法務、情報セキュリティ分野などもスキルレベル3として出題対象である。満点の60%を基準点とし基準点以上で午前II試験通過となる。基準点に達しなかった場合は不合格で、午後I・午後IIは採点されない。 例年、プロジェクトマネジメント分野から15問程度、その他関連領域から10問程度出題される。プロジェクトマネジメントの国際的な標準知識体系であるPMBOK関連の出題が多い。2014年(平成26年)以降は「情報セキュリティ」が出題対象に追加されており、最低1問以上出題されるようになっている。 2020年度(令和2年度)の試験より、「情報セキュリティ」が重点分野となる[2][3]。ただし他の高度試験の区分と異なり、スキルレベルは3のままである[注 1]。
試験時間90分。記述式で3題出題され2題を選択して解答。コスト管理や品質管理、リスク管理などプロジェクトマネジメントのあらゆる領域から出題される。基準点以上で午後I試験通過となる。基準点に達しなかった場合は不合格で、午後IIは採点されない。
試験時間120分。論文課題形式で2題出題され1題を選択して解答。課題について実務体験をもとに概ね2,000~3,000文字程度で論述する。A,B,C,Dのランクで採点され、Aランクで最終的に合格となる。Aランク以外の場合は不合格。 科目免除 下記の試験に合格又は基準点を得れば2年間、午前Iの科目免除が受けられる。
参考:2008年度(平成20年度)までの試験
試験時間100分。四肢択一式(マークシート使用)で55問出題され、全問解答。 IRT(項目応答理論)によって、最低200点~最高800点の5点刻みで採点され、600点以上で合格(午前試験通過)である。
試験時間90分。記述の中規模の問題が4問出題され3問を選択し解答。 素点採点で、最低200点~最高800点の5点刻みで採点され、600点以上で合格(午後I試験通過)である。ただし、午前試験が600点に満たなかった者は採点されない。
試験時間120分。3題出題され1題を選択し解答。業務経験を踏まえて小論文(2400字以上4000字以下)を書く。 採点はA,B,C,Dの4段階で評価され、Aのみ最終的に合格となる。ただし、午後I試験が600点に満たなかった者は採点されない。 合格者の特典
その他
脚注注釈
出典関連項目
外部リンク
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