ジョス・ウェドン
ジョセフ・ヒル・ウェドン(英: Joseph Hill Whedon、1964年6月23日 - )はアメリカの著作家、脚本家、映画監督、エグゼクティブプロデューサー、俳優。かつては「ウィードン」という表記もあった。 1996年の『トイ・ストーリー』の脚本でアカデミー賞にノミネート。2005年の『セレニティー』の監督・脚本を務め、2006年のヒューゴー賞Best Dramatic Presentation, Long Formを受賞。その他にも受賞やノミネートが多数ある(#受賞、#ノミネートも参照のこと。)2015年の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の監督・脚本、2021年の『ザ・ネバーズ』の監督・脚本・製作・製作総指揮を務めた。その他、テレビ番組『バフィー 〜恋する十字架〜』、『エンジェル』、『ファイヤーフライ』の脚本家兼制作者としてもよく知られている。コミックの原作もいくつか手がけている。 経歴ジョセフの父親も祖父もテレビ脚本家として活躍した人物である。ニューヨーク生まれ。イギリスのウィンチェスター・カレッジを卒業後、映画製作を学ぶためアメリカ・コネチカット州のウェズリアン大学に入学し、1987年に卒業。ロサンゼルスに移住。 テレビロサンゼルスに移住後、ウィードンは『Roseanne』というテレビシリーズの脚本の仕事を得た。その後数年間は映画用脚本の手直しの仕事をし、再びテレビの世界に戻り、4つのテレビ番組の制作に関わった。自身の手がけた『バフィー 〜恋する十字架〜』、『エンジェル』、『ファイヤーフライ』ではカメオ出演もしており、『ヴェロニカ・マーズ』にもゲスト出演している。2007年には『The Office』という番組でも2エピソードを監督した(「Business School」と「Branch Wars」)[1]。 ウェドンは、父(トム・ウェドン)も祖父(ジョン・ウェドン)もテレビ脚本家として活躍した人物であるため、世界初の第三世代テレビライターなどと称される[2]。 彼の脚本に基づいた映画『バッフィ/ザ・バンパイア・キラー』は不評だったが[3][4]、ウィードンはこれをテレビ番組として復活させた。『バフィー 〜恋する十字架〜』はカルト的人気を呼んだ。彼が脚本と監督を務めたエピソード「静けさ」は2000年のエミー賞優秀脚本賞にノミネートされた。このシリーズはThe WBネットワークで第5シーズンまで放送され、その後の放送権獲得合戦の結果UPNネットワークで2シーズンを放送した。 『エンジェル』は『バフィー』からのスピンオフ作品で、バフィーのボーイフレンドである吸血鬼を主人公にしたドラマである。企画にはウィードンのほかにバフィーの脚本も書いていたデヴィッド・グリーンウォルトも参加した。ティム・マイナーも重要な部分で関わっている。1999年9月からWBで放送開始され、『バフィー』のすぐ後に放送されるという番組構成になっていた。2001年に『バフィー』がUPNに移ると、『エンジェル』は様々な時間枠で放送されるようになった。最終回の視聴率はバフィーよりも良かった。WBは2004年2月、第5シーズンの途中で打ち切った。 ウェドンがティム・マイナーと企画した『ファイヤーフライ』は2002年にFOXが放送したが、途中で打ち切った。14エピソードのうち11エピソードだけが放送され、しかも放送順序が意図したものとは違っていた。特に初回の2時間特番として企画したエピソード「セレニティー」が最後に放送された。このFOXの仕打ちに関して、ウィードンは二度とFOXとは仕事をしないと述べていた[5]。打ち切り後、ウィードンはファイヤーフライの映画版『セレニティー』の脚本を書いた。ユニバーサル・ピクチャーズがこの制作に乗り出し、ウィードン自身が監督を務め、2005年9月30日に全米公開となった。 2007年8月、かつて『バフィー』や『エンジェル』にも出演していたエリザ・ドゥシュクはFOXとの契約を行った[6]。その直後、ドゥシュクはウィードンと昼食を共にし、彼女を主役とするシリーズのアイデアを話し合った。結果として、ウィードンはFOXで放送されるパイロット版の脚本と監督を務めることを約束した[7]。ウィードンは、「全く新しい知的で協力的な人々」と仕事をすると発表した[8]。2008年5月、FOXはこの番組Dollhouseを2009年1月に放送開始すると発表した[9]。FOXに戻ることについて聞かれ、ウェドンは「彼らは『ファイヤーフライ』のときの人々とは全く違う」と述べている。実際、『ファイヤーフライ』放送当時と比べるとFOXの経営陣が一新されている[10]。このSFアクションドラマ『ドールハウス』は2009年2月から第1シーズンが、同年9月から第2シーズンが放送されたが、そのシーズンで途中打ち切りとなった。 映画ウェドンは、『バッフィ/ザ・バンパイア・キラー』、『トイ・ストーリー』、『エイリアン4』、『タイタンA.E.』といった映画の脚本を執筆(あるいは共同執筆)した。『トイ・ストーリー』の脚本では、アカデミー賞にノミネートされた。 また、スタッフとして名前は出ていないが、『スピード』、『ウォーターワールド』、『ツイスター』、『X-メン』といった作品で脚本のドラフト版の修正や書き直しなどを行った。ただし、『スピード』以外ではウィードンが書いた部分は最終脚本には残っていない[要出典]。インタビューではウィードンは残る3作品との関わりを否定している。『エイリアン4』向けに彼が書いた脚本は、監督のジャン=ピエール・ジュネが変えてしまった[要出典]。『ウォーターワールド』向けの脚本は捨てられ、『X-メン』の最終脚本には彼の書いた部分は2行しか残らなかった[11]。バフィーの映画版でさえ、彼の脚本との類似点は少ない[12]。『スピード』の脚本家として名前が出ているグレアム・ヨストによれば、台詞の大部分はウィードンが書いたものだという。 2005年、彼は『セレニティー』の監督・脚本を務め、2006年のヒューゴー賞Best Dramatic Presentation, Long Formを受賞した。2006年1月には映画会社の後援もあり、『セレニティー』を世界各地でチャリティ公開するファンの活動が始まった[13]。収益金はジョス・ウィードンも支援している人権団体Equality Nowに寄付されている。 ウェドンは『ワンダーウーマン』映画版の監督・脚本を務める契約を結んでいたが、2007年2月3日に降板することを公表した[14]。 2008年には、自主製作で短編のホラー・ミュージカル・コメディ映画『Dr. Horrible's Sing-Along Blog』をインターネット上で発表。この作品で様々な賞を受賞している。 2011年には製作・共同脚本担当(監督、共同脚本:ドリュー・ゴダード)のホラー映画『キャビン』が公開。2012年には監督・脚本を務めた『アベンジャーズ』が公開。 コミックウェドンはコミックファンでもあり、ダークホースコミックスで『バフィー』の世界の遠未来[15] を描いた『Fray』の原作も書いている。『Buffy the Vampire Slayer Season Eight』のエピソード「Time of Your Life」でも、この『Fray』の世界に再び戻っている[16]。他にも『聖少女バフィー』シリーズのコミックの原作をいくつも手がけている。 また、『ファイヤーフライ』および映画版『セレニティー』へとつながるコミック『Serenity: Those Left Behind』と『Serenity: Better Days』の原作も書いた(共同執筆)。 マーベル・コミックでは『Astonishing X-Men』の原作を書いていた(2008年に原作をWarren Ellisに引き継いだ)。 フィルモグラフィー
受賞歴受賞
ノミネート
参考文献
関連文献
外部リンク
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