ジェイアールバス関東伊那支店ジェイアールバス関東伊那支店(ジェイアールバスかんとういなしてん)は、長野県伊那市にあるジェイアールバス関東の営業所。 所在地は、長野県伊那市山寺1765。JR東海飯田線伊那北駅の近くにある。所属車両のナンバーは松本ナンバー。 概要もともと建設計画が頓挫してしまった高遠電気軌道の代替として高遠線の運行を開始したのが始まりである。地域利用主体ながら、同時に長谷村(現在は伊那市に合併)などへの路線も開設され、支線区の廃止などはあるものの、伊那市 - 高遠町(現在は伊那市に合併)を結ぶ路線として利用されていた。春先の桜シーズン(「高遠さくら祭り」開催期間中)は臨時便の運行に必要な車両、乗務員が他支店から一時的に充当される。それ以外のシーズンは利用者が減少しており運行本数が減少し、車両も中型車がメインとなっている。伊那市などからのコミュニティバスの運行委託は路線数が増加している。 伊那支店は「南アルプス号」のほか中央道経由の高速バス運行に関わるようになり、乗務員基地としての役目を果たすようになっていた。近接した下諏訪支店と高速バスに関して同様の役目を果たしていること、また下諏訪支店の一般路線も少なくなっていたことから、この2支店が統合されることになり、2004年7月に中央道統括支店として再出発することになった(2010年、中央道支店に改名)。旧下諏訪支店エリアの路線が持っていた「鉄道線の培養」という使命は半ば失われてしまったものの、旧伊那支店の路線の「鉄道線の代行」という使命は失われていない。 中央道経由の高速バスの乗務員交代は小黒川PA(以前は駒ケ岳パーキングエリア)で行なわれており、支店との往復は連絡車を使用していた。名古屋便、福井便は両側とも中央道支店で乗務していた。長野県内 - 京阪神系統は小黒川以西を西日本ジェイアールバスが乗務する形で運行を分担している。東京 - 京阪神系統の中央道経由便は東名・新東名経由への変更で中央道経由は徐々に減少し、2021年10月28日改正で廃止された。伊那支店には高速バスの配置はなく、JRバス関東の担当便では東京支店車両を使用する。また、乗務員は東京到着後、新宿 - TDR線や東京 - 成田空港線などに乗務するネットワーク行路もある。 支店内にある車両整備工場では、自社内で唯一の車両塗装設備も備え、各支店の車両の塗装変更や車内のリニューアル、シートの変更、エンジン等重要部品のオーバーホールなども施工している。対応能力は年間24台程度[1]。車両整備設備を持たない諏訪支店の車両の重整備、車検整備も当工場で実施している。 JR気仙沼線BRTの開業時の車両や、プレミアムドリーム号、プレミアムエコドリーム号、ドリームルリエ号などへの既存車を種車とした改造も当工場で施行した。中古購入車両の塗装や仕様の変更なども当工場で施工しており、構内に施工前後の車両がしばしば見受けられる。例年、高遠さくら祭り前に施工が完了した中古購入の一般路線車などを一旦、中央道支店の所属としてナンバー登録し、高遠さくら祭り輸送に使用し、同輸送終了後に本来の所属先へ異動させる動きがある。 2018年度には、国土交通省が実施する道の駅南アルプスむら長谷を拠点とした自動運転サービス実証実験に、乗合バス運行事業者として参加した。 2019年度には令和元年東日本台風(台風19号)の影響による豪雨のため、伊那市道の一部で路肩崩落等の被害が発生し、復旧の見通しが立たず「南アルプスジオライナー」や「パノラマライナー」はシーズン途中で運行を終了した。 2020年度には高遠城址さくら祭りが新型コロナウイルスの感染拡大を回避するため中止となった。これに伴って茅野駅 - 高遠駅や花見循環バス、駐車場シャトルバスなどの運行が中止となった。さらに「南アルプスジオライナー」や「パノラマライナー」も運行中止となっている。 2019年6月27日時点で、本支店の職員数は54人(うち女性3人)である[2]。2020年4月1日現在、11台(一般路線車10台、貸切車1台)が配置されている(伊那市(高遠・長谷地区)の委託車両は除く)[3]。 2021年4月1日より、長谷循環バスの土休日や平日の一部の運行を「ぐるっとタクシー」に切り替え、本支店でも新たに同タクシーの運行に参入した。 沿革
現行路線高速バス
一般路線バス
受託路線
→詳細は「伊那市街地循環バス」を参照
→詳細は「長谷循環バス」を参照
その他の路線
過去の路線
車両以前は国鉄中部自動車局の管轄であったため、下諏訪や小諸とともにUDトラックス(旧:日産ディーゼル)の車両が主力であった。民営化以降は支店が車両導入を決められることもあり、引き続いて2005年度まで日産ディーゼル製が新車に採用されていた。中古車両の購入や支店間転属の場合は、日産ディーゼル製に固定されることなく他メーカーの車両も移籍されている。 2018年1月の高遠線開業70周年を記念して、中央道支店所属車両のうち1台(L538-99206)は旧国鉄カラーとなり「復刻塗装バス」として高遠線で運行されていた[9]。車両老朽化や修繕部品の生産終了等により、惜しまれながら2023年8月に引退した。 高遠の桜シーズンには他支店からの応援もあり、その際には松本ナンバーへ登録変更されることもある。特に新車が応援に回ってくるとは限らないものの、普段は当支店では見られない仕様の車両が配置・運用される光景は、国鉄バス時代の十和田方式を髣髴とさせる。最近では中古購入した車両を中央道支店の整備工場でリニューアルし、仕上がったものを同輸送で使用し、終了後に本来の配置先へ異動させたり、他支店の廃車直前の車両を調達し、同輸送後に伊那で廃車するようなことも多い。 2023年春に登山輸送などでの使用を見越した着席重視型で2人掛けシートの多い所謂”ワンロマ”タイプの一般路線車両を1両中古購入した[12]。 長野原支店のイエローバス、西那須野支店のもみじバスに対して、中央道支店の高速バスは高遠城址公園のタカトオコヒガンザクラにちなみ、桜の模様が描かれていた。東京支店などから古参車が転属してくるパターンが多かったが、2003年には日産ディーゼル・スペースアローネオロイヤルC-Iの新車2台を購入している。 コミュニティバス各線には日野・ポンチョを使用している。伊那市市街地循環バス(イーナちゃんバス)については伊那バスが使用していた車両を引き継いでいる。「ぐるっとタクシー」にはトヨタ・ヴォクシーや日産・リーフを使用している。 貸切車は諏訪支店から転属してきた三菱ふそう・エアロエースが2台配置されている。貸切運行のほか、しばしば高速バスの乗務員訓練にも使用され担当路線などを訓練走行している。2022年には館山支店よりオープントップバス「めいぷるスカイ」の三菱ふそう・エアロキングが期間配置され、高遠桜祭り期間中に高遠城址公園周辺で運行された。
関連事業
脚注
関連項目参考文献
外部リンク
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